(プチ嫌表現含む)

「こっちだよ〜。
と、ナカミが入り組んだ路地をスイスイ抜けてゆく。
「何処まで行くの〜?
シサが黒いビニール袋を抱えて泣きながら追いかける。
「シサ…あまり力いっぱい抱えちゃ…
猫が型崩れするから、と言いたいのをぐっとこらえるクギリ。

いいこと考えちゃった。というナカミが走り出して20分。
シサがいい感じでへろへろになってきた頃。
路地裏にそぐわない派手な門の前でクギリは絶句した。

ここは香港。有為と無為の交錯する混沌の街。