私の一日は、いつもなら境内の掃除から始まります。
でも、この日は夜中からずっと、人がたくさん居ておられて、
とても、お掃除が出来そうにありませんでした。


いつもは特に誰もいらっしゃらないのに。
なんででしょう。


「まあ、正月だからとちゃうか。」
そうなんですか。
「初詣って言うてな。まあ、イベントやね。」
はあ、なるほど。皆さんイベント大好きっ子なんですね。
「せやね。正月ならなんでもええんやろね。」


あれ、正月は他にもあるんですか?
「あるある。望の正月やら陰暦の正月やら、あと人種によって様々やね。」
んに…なんでそんなにあるんですか?
「そりゃ、地球が丸いからや。」
そうなんですか。
「せや。しかも、お月さんも丸い。さらには、お天道さんも丸い。」
だから正月がいっぱいあるんですか?
「そーそー。丸いからな、何処が始まりかなんて誰にもわからんねや。」
へー。


「まあ、ワシは酒が呑めるからそれでええねん。」
あ。もう飲んじゃったですか。
「神さんとこから降ろしてあったから大丈夫やて。」
え、その降ろしたのって、甘露ですか?
「…せやね。…せやったね。」
甘露は駄目ですよ。姉さま楽しみにしてらしたのに。
「…ワシ…正月早々死ぬンカナ…?」
次のお正月までに良くなればいいですね。